メールを利用して繁殖していくコンピュータウイルスは,ワイヤードのアキレス腱を断絶するほどの脅威を持っていると考えていい。「メリッサ」は始まりに過ぎない。相当重く考えないと,もう歩くこともできないほどのダメージを受ける可能性を残している。
悪質なペイロード(破壊活動)を持つワーム,Worm.ExploreZip発見の報告がアンチウイルスベンダーのホームページでされている。Worm.ExploreZipは,メールソフトから採取したメールアドレス先に添付ファイルとして自らを送信していく。Worm.ExploreZipが実行されると,ドライブを検索し選択したファイルのデータを消去していく。
メールを自動的に利用して繁殖させていくウイルス(Worm.ExploreZipはワームだけど)は,多くのマシンがインターネットに繋がっている現代においては,非常に遭遇の可能性が高くなる。メリッサの時も,やれMSのメールサーバーが停止したとか,インテルも被害を被ったとか…。メリッサは幸い,PCに被害を残すことはなかったが,さてこれが悪意を持ったウイルスだったらどうなっていたか? メリッサは1回感染すると50通のメールを送ったが,さてもっと繁殖力の強いウイルスだったらどうなっていたか? また,その繁殖力に加えてメールサーバーにより強い負荷をかける装置を備えていたらどうなっていたことか?
メリッサの亜種は数種類が発見されたが,アンチウイルスメーカーによって早急に対処がなされたために大きな被害とはならなかった。しかし,その早急な対処こそがこのウイルスの怖さを物語っていた。メールを媒体としたウイルスは,近い将来とんでもない事態を引き起こしかねない,ということはいつも考えておかなければいけないだろう。
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